「面接交渉・養育費」、「代理懐胎」、「寄与分・遺留分」、「認知症高齢者の遺言」、「家事事件手続法」、「子どもの代理人」、「子の奪取に関するハーグ条約」等、
家族法における最新の論点に切り込み、裁判実務と学説を繋ぐ珠玉の論説集。
【執筆者一覧(五十音順)】※肩書きは発刊時のものです。
生駒 俊英(福井大学教育地域科学部専任講師)
犬伏 由子(慶應義塾大学法学部教授)
梅澤 彩(摂南大学法学部専任講師)
遠藤 隆幸(東北学院大学大学院法務研究科准教授)
緒方 直人(鹿児島大学大学院司法政策研究科教授)
小川 富之(近畿大学法学部教授)
川 淳一(成城大学法学部教授)
木棚 照一(早稲田大学法学部教授)
金 亮 完(山梨学院大学法学部准教授)
佐々木 健(札幌学院大学法学部法律学科准教授)
冷水登紀代(甲南大学法科大学院准教授)
鈴木 伸智(愛知学院大学法学部准教授)
棚村 政行(早稲田大学法学部教授)
辻 朗(大阪学院大学法学部教授)
常岡 史子(獨協大学法学部教授)
床谷 文雄(大阪大学大学院国際公共政策研究科教授)
成澤 寛(岡山商科大学法学部准教授)
二宮 周平(立命館大学法学部教授)
羽生 香織(東京経済大学現代法学部准教授)
原田 綾子(早稲田大学法学学術院比較法研究所助手)
松倉 耕作(名城大学大学院法務研究科教授)
松原 正明(さいたま地方・家庭裁判所川越支部判事)
松久 和彦(香川大学大学院香川大学・愛媛大学連合法務研究科准教授)
山内 惟介(中央大学法学部教授)
山口 亮子(京都産業大学法学部教授)
【はしがき】
広島大学名誉教授中川淳先生は、平成一九年一月一日にめでたく傘寿を迎えられました。
先生は、昭和二五年に京都大学法学部大学院特別研究生となり研究者としての道を歩み始められ、これまで六〇年余りの長きにわたり、民法を中心に幅広く法律学の諸分野において数多くの卓越した研究業績を公表されてきました。先生のご研究のどれもが、今でも燦然たる光彩を放っており、私たち後進の導きの星のような存在であるといえます。先生は、また、関係する学会や研究会を牽引したりリードする存在であり、日本の民法学の発展に多大な寄与貢献をして参りました。さらに、日本学術会議会員(第一二期)を務められるなど、先生のご功績は法律学にとどまらず学術分野の発展全般に及んでいます。また、先生は、家庭裁判所において調停委員、参与員および家庭裁判所委員を長らく務められるとともに、京都家庭裁判所調停協会会長等の要職を担い、家事事件の実務にも多大な貢献を続けてこられました。先生の益々のご研鑽は、傘寿を迎えられても衰えることがなく、このことは、巻末に掲げました先生の『著作目録』を見れば、誰の目にも明らかです。
そこで、日頃先生から親しくご薫陶を受けてきました私たちとしましても、先生の傘寿の嘉齢をお祝いするとともに、先生の学恩に対していささかでも謝意をお捧げするために、先生のこれまでの家族法の理論と実務に対する多大なるご貢献をさらに発展させるべく、本記念論集の出版を企画いたしました。
中川淳先生におかれましては、ゆかりの先生方は数多くおられますところ、今回は、家族にかかわりのあるテーマに絞って、とくに中堅・新進気鋭の先生方にご執筆をお願いいたしました。幸い、多くの先生方からご玉稿をお寄せいただくことができ、御蔭さまで先生に献呈するにふさわしい充実したものが出来上がりました。何かとご多用の中をご執筆いただきました先生方には心よりお礼を申し上げますとともに、諸般のご事情でご論稿の掲載ができなかった先生方に対しましてはこの場を借りまして厚く御礼を申し上げます。
本記念論集が、家族法研究の今後の発展に少しでも寄与できること祈念して、傘寿の日ははるかに遅れてしまいましたことをお詫びしつつ、ささやかではありますが、中川淳先生にこの論集を奉呈いたします。
なお、本論集の刊行にあたりましては、日本加除出版株式会社の尾中哲夫社長をはじめとする多くの皆さまからの暖かなご支援ご尽力に対して深く感謝の意を表したいと存じます。
平成二三年六月三〇日
棚村 政行
小川 富之