戸籍時報 2022年特別増刊号vol.824

本体 ¥ 1,200
¥ 1,320 税込

著者:戸籍時報編集部/編
判型:A5判
ページ数:122頁
発刊年月:2022年5月刊
ISBN/ISSN:0912-1579
商品番号:31101
略号:時特

商品情報

戸籍行政をめぐる現下の諸問題
長橋佑里香(法務省民事局戸籍企画官兼局付)

は し が き

去る令和3年12月11日、「家族法・戸籍制度研究会」の第41回定例 研究会が、日本出版クラブ会館(東京都千代田区)におけるご講演と 同時配信によるオンライン講演の形で開催されました。
今回の研究会では、法務省民事局戸籍企画官兼局付の長橋佑里香氏 から「戸籍行政をめぐる現下の諸問題」と題する講演が行われました。  
今回の講演におきまして長橋局付は、まず、「無戸籍の解消に向けた取組について」、現状のご報告とともに、その対策として、無戸籍 問題の一因との指摘も受けながら見直しの検討が進められている民法 における嫡出推定制度について、法制審議会民法(親子法制)部会に おける調査・審議の状況を、部会資料等の関連資料とともに分かりや すくご解説くださいました。講演では、嫡出推定制度の見直しの議論 に焦点を絞りつつも、認知制度の見直しなどの重要な他の議論についても触れられています。  
そして、戸籍行政にかかわる大きなトピックとして、「氏名の読み 仮名の法制化について」、現行制度の概要と、デジタル・ガバメント 実行計画に紐づけられた法制化の必要性や今後の工程について、さら に具体的な議論内容については、法制審議会戸籍法部会における調 査・審議の状況も踏まえて、丁寧にご解説をいただきました。  
今後も、これらのテーマも含めて家族法・戸籍制度に関する様々な 課題について検討や議論がますます進められていくと推察されるとこ ろ、本講演で行われた長橋局付の解説につきましては、戸籍実務に携わっておられる方々をはじめとして、家庭裁判所の職員の方々、家族 法及び戸籍制度の研究に当たっておられる方々にとっても裨益するところが少なくないと思われます。そこで、今回の戸籍時報特別増刊号においても、講演者及び家族法・戸籍制度研究会のご了承を得て、そ の講演内容を掲載させていただくこととしました。  
なお、ご講演後、本誌発刊までの間、去る令和4年2⽉1⽇には 「民法(親子法制)等の改正に関する要綱案」が取りまとめられましたので関係資料として本誌にも掲出いたしました。  
終わりに、本書の編集に際し「家族法・戸籍制度研究会」の格別の ご配慮に対し、厚く御礼申し上げますとともに、本書が読者の皆様の ために多少でもお役に立てれば幸いでございます。  
なお、読者の皆様には、「戸籍時報」及び同増刊号の編集について、 今後ともいっそうのご指導、ご鞭撻をいただきますよう、お願い申し上げます。  

令和4年5月
戸籍時報編集部

目次

第1部 講演
ご挨拶
はじめに
第1 無戸籍の解消に向けた取組について
1 現状
2 法務省における対策
3 民法(親子法制)等の改正に関する検討状況
(1) 嫡出の推定の見直し等
(2) 女性の再婚禁止期間の見直し
(3) 嫡出否認制度の見直し
4 無戸籍を解消するための手続
5 民法(親子法制)部会におけるその他の検討事項
(1) 成年等に達した子の否認権
(2) 認知制度の見直し
(3) 国籍法に関する規律の見直し
(4) 胎児認知の効力に関する規律の新設
第2 氏名の読み仮名の法制化について
1 現行制度
2 検討の経緯
(1) デジタル・ガバメント実行計画
(2) 研究会の設置経緯・実施状況
(3) デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律
(4) 法制審議会戸籍法部会
3 法制化の必要性等
(1) 情報システムにおける検索及び管理の能率の向上
(2) 各種手続における不正防止の補完
(3) 「なまえ」の登録・公証
4 今後の検討事項
(1) 氏名の読み仮名の戸籍の記載事項化
(2)  氏名の読み仮名の収集方法
レジュメ

第2部 巻末資料
資料1 法制審議会民法(親子法制)部会第21回会議(令和3年11月2日)部会資料
資料2 参考条文(抜粋)
資料3 民法(親子法制)等の改正に関する要綱案
資料4 法制審議会民法(親子法制)部会第25回会議(令和4年2月1日)部会資料
資料5 法制審議会戸籍法部会第4回会議(令和4年3月17日)部会資料

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