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初版 は し が き初版 は し が き v 近時,登記所において表示登記をめぐる複雑困難な問題が数多く提起されているが,なかでも地図に係る事件が増加する傾向にある。土地の表示に関する登記事件の処理に当たって,地図の正確性はすべての基本であるから,まず,一義的には,過誤の存しない精度の高い正確な地図が登記所に備え付けられることが先決であるが,遺憾ながら,昭和35年に不動産登記法が改正され,同法第17条地図が備え付けられることになって早くも30数年が経過した今日,いまだ精度の高い同地図の備付けは進んでいないのが現状である。したがって,地図に準ずる図面として,旧土地台帳附属地図(いわゆる「公図」)の十分な活用を図り,土地の表示に関する登記を適正・迅速に処理する必要がある。また,正確な地図は,建物の表示に関する登記についても,建物の存在する位置を特定するために欠くことのできない重要なものである。 今般,同法第24条ノ3第1項が「登記所ニ第17条ノ規定ニ依リ地図ガ備ヘラルル迄ノ間之ニ代ヘテ地図ニ準ズル図面ヲ備フ」と改正施行され,いわゆる公図の重要性を見直し,公図の活用を図るため不動産登記法上において,明確に位置づけ,その閲覧制度を新設する方策が講じられたことは大いに喜ばしいことである。 しかしながら,日常の表示に関する登記の処理に当たっては,この地図の過誤,あるいは,既に登記所に備え付けられている「地積測量図」,「建物図面」,「地役権図面」等,それぞれの図面が整合性を欠き,登記所における表示登記事務の担当者,また,この表示登記事務に大きく係わりのある土地家屋調査士の方々や,官公庁の道路・河川等の用地買収等の事務担当者を,大いに悩ませているところである。 ところで,ここ数年の間においていわゆる世代交替が激しく,登記所にお

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