(2)離婚又は婚姻取消しによる戸籍の変動(3)養子縁組による戸籍の変動(4)養子離縁又は縁組取消しによる戸籍の変動003 婚姻によって氏を改めた夫又は妻は,協議上の離婚によって婚姻前の氏に復する(民法767条1項)ことになりますので,婚姻中の戸籍から除かれ,婚姻前の戸籍に復するか又は新戸籍を編製する(戸籍法19条1項)ことになります。また,婚姻の取消しがあった場合も,離婚の場合と同様(民法749条・767条1項,戸籍法19条1項)です。 養子は,養親の氏を称する(民法810条本文)としていますから,養子が単身者の場合は従前の戸籍から除かれて養親の戸籍に入籍し(戸籍法18条3項),養子が夫婦又は婚姻の際に氏を改めなかった者の場合は夫婦について新戸籍を編製する(戸籍法20条・18条3項,平成2年10月5日民二4400号通達(以下「4400号通達」という。))ことになります。 養子は,離縁により原則として縁組前の氏に復する(民法816条1項本文)ことになりますので,単身者の場合は縁組前の戸籍に復するか又は新戸籍を編製する(戸籍法19条1項)ことになり,養子が夫婦の場合において婚姻の際に氏を改めなかった養子(夫婦の氏の主導性がある者)と養親又は夫婦が共に養親と離縁すると,夫婦について新戸籍を編製する(戸籍法20条・19条1項,4400号通達)ことになります。この取扱いは縁組の取消しがあった場合も同様(民法808条2項・816条)です。 また,配偶者とともに養子をした養親が離婚によって婚姻前の氏に復したため,養子が入籍の届出により復氏した養親の氏を称している場合において,その養親のみと離縁をしたときは,養子は,入籍の届出前の氏に復することになります(昭和62年10月1日民二5000号通達第2の3⑵)。 なお,死亡した養子が死後離縁された場合は,養子は離縁によっても縁組前の氏には復しませんので,復籍しないことになります。これは,死亡した者には氏という概念がないため,氏の変動が生じないからです。この場合,死後離縁された養子に生存配偶者があるときは,その生存配偶者(死後離縁した養親との縁組関係がない者の場合)は,生存配偶者の復氏をすることにより,婚姻前の氏に復し,従前戸籍に復籍するか,又は新戸籍を編製することになります。1 民法上の氏の変動と戸籍の変動
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