第2出生による戸籍の変動009 出生による戸籍の変動があるときとは,どのような場合が該当するでしょうか。この種の届出事件は,比較的少ないことと思います。出生子が,現にある父母婚姻中の戸籍に入籍するときは,戸籍の変動はありません。しかし,子が出生した後,その父母が養子となる縁組をしたことにより,父母について新戸籍が編製されている場合は,その後に出生の届出がされても,嫡出子は出生当時の父母の氏を称し(民法790条1項本文),父母の戸籍に入籍します(戸籍法18条1項)ので,この場合は,縁組前の戸籍を回復の上,回復後の戸籍に子を入籍させることになります(昭和23年4月20日民事甲208号回答)。また,父母が離婚した後に出生した子の場合には,子の入籍すべき戸籍の状態がどのようになっているかによって,その処理方法を異にします。つまり,離婚後にその戸籍が転籍していたり,又は婚姻の際に氏を改めなかった者が相手方の氏を称して婚姻しているなど,父母婚姻中の戸籍が除かれているときには,実父母との親子関係を関連づけるため(相続人を特定させるため),子を父母が在籍していた当時の戸籍に入籍させる必要があります。そのためには,転籍後の戸籍や回復後の戸籍に子を入籍させる必要が,又は除籍となった戸籍の末尾に子を一旦入籍させた上,子について新戸籍を編製する必要があります。さらに,戸籍の筆頭に記載した者及びその配偶者以外の者が子を出生した場合には,その母と子について新戸籍を編製する場合があります。これらを図示すると,次のようになります。11具体的処理例
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