氏戸
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iii 戸籍は,人の親族的身分関係を登録・公証する公文書です。親族的な身分とは,夫婦・親子・兄弟姉妹その他の親族という親族的な身分関係における地位のことをいいます。また,戸籍は,人の出生から死亡までの経緯を登録・公証するものです。 戸籍は,人が死亡し相続が発生した場合には,相続人が誰であるかを公証するものですから,転籍・養子縁組・婚姻等により戸籍の変動があった場合にも,その探索が容易にできるように,その仕組ができています。例えば,戸籍が,A市からB市へ,更にC市へ転籍しても,戸籍事項欄の記載の工夫により連続性が保たれるようになっています。また,養子縁組・婚姻によって甲戸籍から除かれて乙戸籍に入るという場合には,入籍・除籍という方法により探索ができ,さらに,養子離縁,離婚により元の戸籍に戻ったか,又は新たな戸籍を編製したかについても,同様に探索ができるように工夫がされています。 このように,戸籍は,人の一生の身分を証明するものですから,全国統一した事務の取扱いをすることが望まれます。そのため,戸籍用紙の規格及び様式は,明治19年の戸籍取扱手続(明治19年内務省令第22号)の制定時から統一(同手続戸籍用紙雛形第一・第二)され,現在のコンピュータシステムによる戸籍証明書等(記録事項証明書)の書面の規格(戸籍法施行規則付録第22号様式)も同様です。さらに,出生事項・婚姻事項等の記載は,全国どの市区町村においても統一的に適正な事務処理ができるよう,基本的な記載例は,明治19年の戸籍登記書式等(明治19年内務省訓令第20号)で示して以来,現行の法定記載例(戸籍法施行規則附録第7号)及び参考記載例(平成2年3月1日民二第600号通達)に引き継がれています。コンピュータシステムにより処理する場合も同様です(戸籍法施行規則付録第25号・平成6年11月16日民二第7000号通達)。また,新戸籍を編製され,又は他の戸籍に入る場合に,従前の戸籍から除かれるときは,どのように朱線を施すのか,コンピュータ戸籍の「除籍マーク」をどの位置に表示するかについても,それぞれ戸籍のひな形で示しています。 ところで,戸籍の記載は,届出等に基づいてすることになります(戸籍法15条)。戸籍の変動を伴うときは,例えば,養子縁組届書には,「□養親の現在の戸籍に入る」等,養子離縁届書には,「□もとの戸籍にもどる」,「新しい戸籍をつくる」等,婚姻届書には,「□夫又は□妻の氏及び本籍」等,離婚届書には,「□夫又は□妻は□もとの戸籍にもどる」等の不動文字が記載され,該当する□にチェックすることになります。また,出生の届出によって親子で新戸籍を編製するときは,前記のような記載は出生届書には設けられていませんが,このようなときは,届書「その他」欄に新戸籍を編製する本籍はしがきはしがき

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