第1章第1 契約書を作成する利点と留意点 契約書作成の基本的知識第 章11444この観点から,契約条項で,例えば,「著しく信頼を裏切ったと本書は,主に契約書の文例を取り扱っていますので,まず総論的に契約書を作成する利点や,作成上の留意点について説明します。1 契約書を作成する主な利点⑴ 契約事項の証明の容易性(後日の紛争の防止)契約書を作成する一番の利点は,契約事項の明確化により,後日の紛争を防止できるということです。契約内容について問題が生じた場合,契約書の条項が有力な証拠となります。例えば,売買契約において,代金の額・支払時期,目的物の所有権移転時期,契約の解除事由などは,これらの契約事項を定めることにより,その内容が明確となり,後日紛争が生じることを防ぐことができます。きは,本契約を解除できる。」などのように,解釈の余地を残すような曖昧な表現は,できるだけ避けるべきです。⑵ 当事者の死亡時等における契約履行の円滑化例えば,契約当事者が死亡した場合,あるいは会社において契約担当者が退社や転勤したような場合などに,契約書が存在すれば,相続人や後任者が速やかに契約事項を把握し,相手方当事者と適切な対応をとることができ,契約の履行を円滑にすることができます。2 契約書を作成する際の主な留意点⑴ 一定の契約の要式性借地借家法上の一般定期借地権設定契約(22条),事業用借地権契約書作成の基本的知識
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