第2章第1 民法上の賃借権と借地借家法上の賃借権 賃貸借契約第 章2191 民法上の賃借権賃借権の存続期間を定める場合には,その最長期間は20年(新民法の合意による更新は,更新の時から20年(新民法では50年)を超えることはできません(新民法,現行民法とも604条)。また,賃借権の期間が満了した後,賃貸人が異議を述べないときは,従前の賃貸借と同一の条件で更に賃貸借したものと推定されます(賃貸借の更新の推定。民賃借権の存続期間を定めない場合は,当事者はいつでも賃貸借の解約の申入れをすることができ,この解約申入れをすれば,土地は1年,建物は3か月,動産・貸席は1日の期間の経過によって賃貸借は終了します(民法617条1項)。また,賃借権の存続期間を定めた場合でも,その一方又は双方がその期間内に解約をする権利を留保したときは,上記の解約の申入れをすることができます(同法618条)。なお,この解約申入れ期間は,当事者の特約により,これを短縮することはもちろん,排除することも可能であると解されています。2 借地借家法上の賃借権借地借家法は,賃借権の適正の保護を理念としたもので,民法上の賃借権よりも賃借人の地位が保護されています。⑴ 借地権① 普通借地権借地借家法上の借地権は,建物の所有を目的とする土地の賃借では50年)ですが,当事者の合意によって賃借権を更新できます。こ法619条1項)。賃貸借契約
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