(試し読み)家庭裁判所における遺産分割・遺留分の実務(第4版)
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第4版 はしがき i 本書は,平成22年4月に初版を発刊した後,家事事件手続法の施行を受けて同25年6月に新版を,そして,預貯金債権の遺産分割対象性等の最高裁大法廷決定による実務運用の変容を受けて平成29年11月に第3版を発刊していたところ,これまで,多くの実務家,調停委員に遺産分割調停・審判事件の処理に関する実務書として利用していただいた。 かかるところ,第3版発刊後,相続法制の見直しに関する「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」(平成30年法律第72号)及び「法務局における遺言書の保管等に関する法律(平成30年法律第73号)が,平成30年7月6日に成立し,同月13日に公布され,原則として令和元年7月1日から施行された。また,今般,これまで法制審議会において行われていた所有者不明土地の解消に向けた検討を経ての「民法等の一部を改正する法律」(令和3年法律第24号)及び「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」(令和3年法律第25号)が令和3年4月21日に成立し,同月28日に公布された。施行の日は,公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日(附則1条)とされているが,附則には施行日前に開始した相続に係る遺産分割等にも適用される旨の経過措置が定められている(附則3条等)。 このような法改正を受け,前記平成30年法律第72号の改正に伴う新たな実務運用については,『改正相続法と家庭裁判所の実務』において詳論したものの,本書についても,改正により創設された各制度を段階的進行モデルに基づく遺産分割手続の流れの中で関連付けて論述し,また,令和3年法律第24号の改正による遺産分割に関する見直しを解説し,最新の実務上の問題点,課題を紹介したいという理由から,第4版 はしがき

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