新成年後見における死後の事務
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A1A2A356第 2 編 円滑化法と実務の対応人が立て替えをするというのは負担が大きく,現実的ではありません。保佐人・補助人は安易に病院費用を支払うべきではないでしょう。 もちろん,保佐人・補助人に預貯金管理の代理権と病院費用の支払の代理権が付与されていない場合は,そもそも被保佐人・被補助人の生前であっても病院費用の支払ができませんので被保佐人・被補助人死亡後に保佐人・補助人が病院費用の支払を手当てする必要がないことは言うまでもありません。 しかし,代理権が付与されている場合には,実務の現場では,死後事務を行えるようにすることを望む声が存在していることも事実です。 後見類型については円滑化法の施行により相続財産に属する債務である病院費用についての支払の権限が認められましたので,手元に現金がある場合は裁判所の許可不要で支払をすることができます。 ただし,債務超過が疑われる場合においては,病院費用だけを支払うと,他の相続債権者との平等という観点から問題が発生したり,相続人が相続放棄をしようとしても相続の単純承認とみなされたりする可能性がありますので支払は控えるべきでしょう17)18)。 病院費用があまりに高額である場合は,他の相続債権者とのバランスの問題がありますので,家庭裁判所と十分に協議する必要があるでしょう。基本的には,高額な病院費用の支払については,その他に債務がなく,相続人が誰もいない状況の下,やむを得ない事情がある時以外は消極的にならざるを得ないでしょう。 円滑化法における死後事務の規定は,後見のみの規定とされていますので保佐・補助においてはこれまでの状況と変わりはありません。 保佐人・補助人ができることとしては,まずは,死亡後に未払

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