08図3 配偶者間(内縁を含む)における犯罪の被害者(検挙件数の割合)に対する恐怖心と,それを回避すべく思いあまった強さを伴うこととなり,殺害等重篤な結果を招来することが少なくないと思われる。DV被害者からの反撃行為については後述する(→233頁第7の8)。なお,古いデータであるが,国連薬物・犯罪事務所(UNODC)によると,2012年に世界で起きた殺人事件で約637,000人が犠牲になり,うち15%の63,600人がDVの犠牲者で,女性が43,600人と7割近くを占めるという(2013年4月11日共同通信)。配偶者暴力相談支援センター(以下,「支援センター」という)への相談件数,警察における配偶者からの暴力事案の認知件数は益々増加しているが,一時保護件数,保護命令の既済件数は減少傾向にある(図4〜図7)。また,警察庁によると,2017年の配偶者からの暴力の事案の被害者は女性が82.8%であり,加害者は男性が82.7%であり,その傾向は毎年同様である6。警視庁の集計では,配偶者からの暴力事案の相談にかかる相談者の性別(2017年)は,女性からの相談が7,005件(83.2%)で,男性からの相談は1,416⑶ DV防止法施行後の運用状況406091.0%(6,427件)55.4%(87件)92.5%(2,482件)91.3%(3,858件)8010044.6%(70件)男性配偶者の割合 資料出所:内閣府男女共同参画局 白書平成30年版1第7章第2図9.0%(637件)7.5%(200件)8.7%(367件)(%)女性配偶者の割合(備考)警察庁資料より作成第Ⅰ部 DV事件実務の基礎20総数(7,064件)殺人(157件)傷害(2,682件)暴行(4,225件)6 平成30(2018)年3月15日付警察庁生活安全局生活安全企画課・刑事局捜査第一課「平成29年におけるストーカー事案及び配偶者からの暴力事案等への対応状況について」https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/stalker/H29STDV_taioujoukyou_shousai.pdf
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