3 ドメスティック・バイオレンスとは件(16.8%)であり,過去4年間も男性の被害者の割合が増加傾向にあるという7。とはいえ,被害者の圧倒的多数が女性であることが明らかである。⑴ ドメスティック・バイオレンスとは11する法律。2013年改正に伴い,現在は配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律)が成立した。その年の流行語大賞では,「ドメスティック・バイオレ7 警 視 庁「 配 偶 者 か ら の 暴 力 事 案 の 概 況 」 更 新 日:2018年 3 月27日 http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/about_mpd/jokyo_tokei/kakushu/dv.html8 可児康則「DV防止法における保護命令の実務状況と問題点」ジェンダー№6 57 〜58頁,2009年7月27日朝日新聞記事9 2009年7月27日朝日新聞記事10 http://singo.jiyu.co.jp/(流行語大賞ホームページ,2018年6月25日アクセス)第1 ドメスティック・バイオレンス及び DV防止法なお,保護命令の発令件数については,大きな地域差がある8。古いデータであるが,2001年10月から2009年3月の最高裁統計にもとづく各地裁管内別の保護命令発生件数を総務省の都道府県別人口統計(2008年10月1日時点)をもとに朝日新聞が分析したところによれば9,人口10万人当たりの発令件数は,トップの那覇(27.8件)は最下位の長野(4.1件)の6.8倍である。認容率については,可児康則弁護士の最高裁統計(2001年10月〜 2007年5月)にもとづく調査によれば,トップの函館地裁は申立て件数の90.6%であるが,最下位の岡山地裁は66.4%にとどまる(全国平均は79.9%)。上記朝日新聞の記事によれば,保護命令の申立ての総数17,566件のうち,「取下げ等」(移送も含む)は全国で2,683件であった。取下げ率が高かったのは,岐阜(27.1%),長野(26.4%),水戸(24.5%)であった。このような地域差が生じる原因について,調査が望まれる。2001年にDV防止法(制定当初は,配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関ンス」がトップテンに入賞した。受賞語の解説には,DVとは,「夫から妻への,もしくは恋人など親密な関係の男性から女性への暴力」とある10。この解説にみられるように,一般的には,夫や恋人など親密な関係の男性から女性への暴力を意味する言葉として用いられている。DVの具体的な意味内容については,国連文書上,DV防止法上,さらには,
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