6第1章 離婚(婚姻)に関する法律相談 A男は,B女からだけでなく,B女の両親からも,C女と離婚した上で,B女ときちんと結婚するよう迫られ,A男は,C女との離婚を決意するに至りました。 A男の妻C女もA男とB女との関係を知ってしまいましたが,既にA男との関係が冷えきっていたこともあり,A男がC女に離婚の決意を伝えたところ,C女の多少の抵抗はありましたが,C女とはなんとか離婚にこぎ着けることができました。 このようにして,A男は,平成12年中にB女と結婚し,B女との間には平成13年に長女が生まれました。⑵ 結婚生活の破綻 A男とB女との結婚生活は,結婚に至る経緯から見ても,将来の破綻が約束されていたようなもので,当初から,当事者間だけでなく,両者の両親との間を含めてさまざまな軋轢があったようでした。 A男の一番の不満は,B女が,身体的苦痛があるとの理由でA男の性交渉の求めを次第に拒むようになったことでした。B女の性交渉の拒み方は,尋常ではなく,最後には,キスさえも拒むようになったようです。 A男は,B女の拒否の様子から既にB女は自分に対する愛情を喪失したのではないかと考えるようになり,また,B女を擁護するB女の両親からは,風俗店にでも行って来いとまで言われたこともありました。このような状況で,A男は,仕事上知り合った何人かの女性と性交渉を持つに至りました。 平成19年に至り,帰宅したA男がB女に性交渉を求めたところ,B女の頑強な拒絶にあって,諦めてA男は寝てしまいましたが,翌朝起きてみると,B女が6歳の長女を連れて,家を出て行ってしまっていて,以後,現在までA男とB女は別居状態を続けています。 裁判では,B女は,家を出る時,夫のパソコンに保存されていた複数の女性との密会の写真を発見して,夫の不倫の事実を知り,写真のデータをコピーして持ち出した,と証言しています。
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