実例 弁護士が悩む家族に関する法律相談
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7⑶ B女からA男に対する婚姻費用の請求とA男の複数の不貞行為の相手に対する慰謝料の請求 別居後,B女は,弁護士を代理人に選任して,A男に対しては婚姻費用の支払を求める調停を申し立て,他方では,A男と性交渉を持った複数の女性に対して順次慰謝料を請求し,一部の女性に対しては訴訟も提起しました。B女側は,交渉,調停,離婚裁判を通じて同じ弁護士が対応しています。 A男は,この段階では弁護士を選任せず,時々法律相談で弁護士からアドバイスを受ける程度でした。 B女は,この時点では,未だA男に対しては,離婚や慰謝料の請求はしていません。 婚姻費用については,A男がB女に対して月々5万円の支払をすることで調停が成立し,複数の女性に対してなされた慰謝料請求については,裁判上ないし裁判外の和解で一人100万円から200万円を支払うこととなり,B女は合計550万円の慰謝料を取得しました。この慰謝料の一部は,A男が支払ってあげていました。⑷ B女からA男に対する離婚,慰謝料及び養育費の請求 程なく,B女は,A男に対し,離婚,慰謝料,養育費の支払を求める調停を申し立ててきました。B女のこの時点での慰謝料請求額は1,500万円でした。A男に対しては婚姻費用の支払を認めさせ,またA男と関係があった複数の女性から合計550万円の慰謝料を取得し,金銭的にも十分な準備をした上での申立てです。 この調停は,A男自身で対応しましたが,慰謝料額の点で折り合いがつかず不調となり,B女は裁判を提起してきました。 B女が裁判でA男に対して請求してきた慰謝料の金額は1,000万円です。 A男は,訴状に書かれていた1,000万円の請求額を見て,もはや自分で解決することは困難と考え,弁護士を選任して対応してもらう決断をしました。事例1 婚姻外男女関係の法的解決

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