1■聴き取り・資料の収集270第8章 相続分・遺産分割に関する法律相談 遺産分割の相談に際しては,以下のポイントを早期に確認し,事件の全体像を把握することが必要です。⑴ 戸籍関係 まずは相談者から親族関係について聴き取りをすることになりますが,相談者が知らない親族(認知した子供や離婚した配偶者との間の子供等)がいる場合もありますので,相続人の範囲を確定するために,亡くなった被相続人の除籍謄本を始めとして,被相続人の出生時からの戸籍・除籍謄本その他家族の方の戸籍謄本等を収集する必要があります。相談者の方が,被相続人又は自分の戸籍・除籍謄本を全て取り寄せて相談に来ることもありますが,不足しているものがある場合は弁護士が職務上の請求により取り寄せることになります。⑵ 遺産の内容の確認ア 不動産 相談者から,被相続人名義の不動産があるかどうか,地番又は住所を聞き,登記を確認する必要があります。被相続人が支払っていた固定資産税の納付書等により,被相続人名義の不動産全てを把握するようにします。イ 預貯金・有価証券 これらについても,相談者が通帳等で確認しているものや,被相続人が生前利用していた金融機関の支店等を調査することになります。法定相続人であれば被相続人名義の金融資産の残高証明書や取引明細を取り寄せることができますので,本人に資料収集を依頼します。ウ 動産類 価値の高い動産類があるかどうかを聴き取った上で,調査します。相続分・遺産分割に関する相談を受けるときのポイント
元のページ ../index.html#34