実例 弁護士が悩む家族に関する法律相談
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273親の世話をした人の相続分相続人のひとりが被相続人と同居して面倒を見ていたときに,その相続人の相続分が問題となった事例●概要図 明治時代につくられ戦前まで使われていた民法では,家督相続制度がとられていて長子が財産を全て相続することになっていました。老後の親の世話は,親の全財産を相続する予定の長子がしていました。 現在の民法では家督相続という制度がなくなり,被相続人の嫡出子は均等に相続権を有することになりました。相続権は,長子だけではなく,他の兄弟姉妹も同様に有することになったのです。法の下の平等の考え方からすれば,兄弟姉妹が同等の相続権を持つことは当然の帰結と考えられます。しかし,相続人のうちの一人だけが老後の親の世話をしていたような場合で,相続財産の主たるものが不動産である場合には,兄弟姉妹が均等に相続権を有することが,ときとして相続に関する争いの火種となること事例21 親の世話をした人の相続分被相続人長女と同居亡くなる5年前から認知症相続人相続人亡 父長 女二 女三 女長 男母30年間母と同居し,世話をしてきた※寄与分がある?相続人相続人はじめに事 例21

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