353離婚に関する弁護士実務トニックラブですか,これだけでは離婚原因にならないか。私が以前相談を受けたのは,奥さんが,「最近夫が町内会の付き合いで良く家を出て行くがあれは絶対おかしい,うきうきして出て行く」と言うので,興信所に依頼して調査したら,ご主人は,ファミレスで高校生ぐらいの女の子と「食事をして,楽しそうにおしゃべりして,帰り際にお金を渡していた」だけの関係だった,ということがあった。何度調査しても。奥さんは,「ま,いいか」なんて言ってましたが。こんなこともあるから,「不貞行為はない」なんて否認してもあながち嘘とはならない。 相手方が不貞の事実を全く知らないで,何も質問してこない場合でも,やはり,今の議論は同じ結論になりますか。B:訴状の記述で,必須なわけではないですから,争点に書かないというのは,むしろ普通なのではないかなと。E弁護士(男性):積極的に開示するかという問題でしょ。それはしないでしょ,皆さん。D:積極的開示は,ないでしょうね。結局は,相手方から言われた時に,どうするかの問題ですよね。司会:それは認めた上で,離婚原因としては,別の離婚原因をうまく主張して,申し立てていくと,そういう形になるでしょうか。D:「婚姻を継続し難い重大な事由」ということですね。A:夫婦生活の中で,先方からどんな仕打ちを受けたかとか,又は協力義務違反みたいなことを主張していくのが普通ですね。⑵ 別居期間についての裁判所の考え方司会:では,次に,その有責配偶者からの離婚の要件ですが,昭和62年の有名な最高裁判決(最大判昭62・9・2民集41巻6号1423頁)がありますよね。3要件,つまり,①長期間の別居,②未成熟子の不存在,③過酷状況の不存在等が離婚を認める基準とされていますよね。それから,平成8年の民法改正案で示された5年以上の別居というも,1つの基準として考えられるものと思います。 この有責配偶者からの離婚申立てにおける別居期間について,調停委
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