実例 弁護士が悩む家族に関する法律相談
52/55

412座談会②てしまいました。後見監督人がいるから大丈夫だと思わない方が良いと。司会:また,遺留分減殺と絡んだ話ですが,公正証書遺言があって,全てAの物になるのを知っていながら,Bさんから依頼を受けた弁護士が,A・B共有の相続登記をしてしまう。あるいは逆に,遺留分減殺請求を受けるということが分かっているけれども,先に遺言書通りの登記をしてしまう。そのようなもの,何か問題が無いかどうかお考えになったことはありますか。G:遺産分割や遺留分減殺では,なかなか依頼者の意向が強いので,弁護士も結構きつい対応をしてくることがありますね。妨害的な防御権行使のようなことも出てきて,少し疑問に思うこともあります。弁護士倫理との関係なんですが,そういうことをして邪魔した,と言って自慢している先生がいたものですから。それは危ないと言いたいところです。その辺は少し考えて行動しないと,昨今の弁護士倫理は非常に厳しいところがありますので。特に遺産分割など,相手方の当事者がいきり立っている所がありますから。注意した方が良いのではないかと思います。H:遺言執行者であれば,遺留分減殺請求を受ける可能性の有無にかかわらず,登記しても良いんでしょ。遺言書の通りやれば良いと。司会:それは難しいですよね。やれば怒られるかもしれないし,争いがありそうだからといって,後に回しても問題になるわけでしょう。C:当事者が対立している時はね。どちらからも突かれる形になってしまいますので。どちらかに付いているという形になるとまずいですね。辞任かなあ。司会:板挟みになってしまいますね。遺言執行者は厳しいなあ。現実はそうですよね。 その他にも,相続税務,登記についても色々と気をつけるべきことはありますが,本日はここまでということで。 では,先生方,長時間にわたってありがとうございました。

元のページ  ../index.html#52

このブックを見る