3は し が きはしがき 第一東京弁護士会法律相談運営委員会の有志委員は，月刊誌「戸籍時報」（日本加除出版株式会社）の平成21年９月号から，毎月「家族に関する法律相談」として家族法の分野に関する連載をしてきました。この連載は，好評の下に，現在も続いています。 連載は，家族法の分野で経験豊富な弁護士が，過去実際に扱った主として離婚や相続の難事件を中心に，解決までに実際に辿った道筋を具体的に示す内容のものです。 既に「戸籍時報」に掲載された事例も多岐の分野にわたり，日本加除出版から，この辺りでこれまでの連載分をまとめて単行本として出版してはどうかとのお話があり，この度単行本化されたのがこの書籍です。 単行本化に際しては，読者層として，最前線で家事事件に取り組んでいる弁護士，弁護士による家事事件解決の実際を見る機会に恵まれなかった早期に独立した若手弁護士，これから弁護士を目指す法科大学院生を想定し，これまで公刊された「マニュアル本」から一歩踏み込んで，実例を通じて弁護士による家事事件解決の内実を具体的に明らかにすることにより，弁護士が個々の事案を解決する際に実際に役立つ書籍として一層の深化を図りました。 この出版意図に従い，連載の各執筆者により大幅な加筆・修正がなされた結果，タイトル名に恥じない内容でリファインすることができたと自負しています。 また，各分野の冒頭に，弁護士が事件の相談や依頼を受けるに際しての「相談を受けるときのポイント」を加筆し，離婚や相続事件などの相談，受任に際して陥りがちな失敗を防ぐための注意点も示しました。 さらに，「離婚に関する弁護士の実務」と「遺産分割に関する弁護士の
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