全訂 新しい家族信託 (試し読み)
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iiいう筆者においても、当初手掛けた事例を見ると、その後の信託口座開設を認めている金融機関の対応の厳格化などから信託の変更をすることが望ましいと思える例も出ている。 そこで多くの人に利用されてきた本書の内容を全面的に見直し、これまで以上に分かりやすく、実務で使える書籍を目指して改訂することとした。 改訂にあたって留意したところは、4点。その1は、改正相続法を取り入れ、かつ信託法もまた、相続に関する事項については補完的に相続法を構成しているという、「相続法の公序」の考え方に立っての見直しである。その2は、家族信託を企画制作するうえで最も重要な事項、特に信託の成立要件や信託の仕組みを機能させるための基本的なキーポイントを、より分かりやすく説明したことである。その3は、参考文例の手直しと、利用の多い重要文例(「家産承継型受益者連続信託」)の改訂や「共有者である受託者の持分をも信託する共有不動産管理処分信託(信託契約と自己信託混合型信託)」、信託契約と併用し遺留分に対応する「遺言」などの文例の追加である。その4は、実務ではほとんど登場しない形態の信託に関するリライトである。 本全訂版は、姉妹本である『家族信託契約』(実務解説本)とともに読んでいただければ「正しい 生きる家族信託」の組成に一歩近づけるものと考えている。  令和元年5月 全訂にあたって著 者

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