6 第1 法律相談とは何か,相談者は何を求めて法律相談に来るのかを理解する検討 1-2 「法律相談」と「協議を受けて」(弁護士法第25条)の関係関する規程」第3条第1項)を作成し,その法律事務所に備え置くべきこととされている。各弁護士が法律事務所に備え置く「弁護士報酬基準」において,日弁連旧規程の内容を踏襲して,「初回市民法律相談」と相談料の金額が定められている例がある。 弁護士報酬に関する日弁連の旧規程では,「初回市民法律相談」とは,「事件単位で個人から受ける初めての法律相談であって,事業に関する相談を除く」ものとされ,旧「報酬等基準規程」では,「30分ごとに5,000円から1万円の範囲内の一定額」とされていた。弁護士が受ける法律相談の内,「初回市民法律相談」は,初回の法律相談であることとともに,事業活動に関する法律相談は除かれていた。 これに対し,日弁連の旧「報酬等基準規程」では,初回市民法律相談を除く「一般法律相談」の相談料は,「30分ごとに5,000円以上2万5,000円以下」とされていた。 弁護士会の法律相談センターの法律相談では,市民が弁護士に法律相談をしやすいように,「30分5,250円」など低めの「定額」とされていた。法律相談センターでは,初回の法律相談に限らず2回目以降の法律相談も同額であり,事業に関する法律相談も含め,初回市民法律相談と同様の扱いとしたものである。 東京の三弁護士会の法律相談センターなどでは,平成18年9月1日以降,クレサラ法律相談は,相談料なし(無料)の扱いとなっている。 最近では,各法律事務所において,法律相談を受けることをインターネットなどで広告し,30分当たり5,250円よりも低額の料金で法律相談を受ける例,初回に限り無料とする例が見られる。 弁護士法は,第74条(非弁護士の虚偽表示等の禁止)第2項に,弁護士又は弁護士法人でない者が,利益を得る目的で,「法律相談その他法律事務を取り扱う旨の標示又は記載」をすることを禁ずる規定を置き,「法律相談」という言葉を使用している。※ 弁護士法第74条の規定に違反した者は,100万円以下の罰金に処するとされている(弁護士法第77条の2)。
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