検討 2-2 相談者の相談内容が抽象的で一般論の説明しかできなかったケース2 法律問題を解決することを目的としていること 9しておらず,様々な事実をとりとめなく話す人がいる。また,相談者が求めることと,その原因となる事実との間にずれがあって,相談者の語る事実からそのまま法律問題の整理をすることができない場合もある。 相談者の話す内容が抽象的で,具体的な法律判断を提供することができないこともある。(法律相談センターの相談で,相談カードに年齢,職業,自宅の電話番号の記載もない年配の女性からの相談の例) 相談者は,不動産の競売と競売開始決定がされた物件を任意売却することの違いを知りたくて相談に訪れた。話の内容が抽象的であり,資料を何も持参しなかったため,40分間を費やしたが一般論としての説明しかできなかった。 相談者の話は要領を得ず,かなり時間を割いて聞いた結果,おおよそ次のような内容だった。 相談者(?)は親戚の者に3,000万円を貸し,その連帯保証人(やはり親戚?)の(所有する?)物件に担保を設定した。その物件が競売の対象となり,価額の評価がされた。他の親戚の者が集まり,農協(その物件の担保権者,競売申立人か?)にお金を払い,競売を取り下げて貰おうという話になってきている。競売と任意売却の違いがどういうことなのかを知りたい。また,2,500万円の評価の物件をそれより低い金額の支払により担保抹消できるか……というのが相談の内容。 相談者から話を聞きながら,相談者がお金を貸し,その担保物件が(農協の申立てにより)競売にかけられ競落されるとした場合,貸金を(一部でも)回収することができるかどうか,担保を保全することができるかどうかの問題であろうかと考えた。いくつかの質問をしたが,トンチンカンな回答であり,そうではないようだった。 次に,親戚の所有する物件の競売の手続を止めるため,農協に競売を取り下げてもらうための条件や他の担保権者の同意の問題で知りたいことがある
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