4 まとめ8もらしい体裁を持つだけに危険というものです。もとより,法律家が契約書式集に単純に依存してその焼き直しで契約書をドラフトするとは思いませんが,契約書のチェック依頼を受けるに当たり,依頼者たる企業側で当該ドラフトをどのように作成したかは未知数の場合もあり,事後の専門家のチェックを前提に,インターネットで見つけた書式を転用しているに過ぎないこともあるでしょう。その内容の不十分さをいかに的確に見抜き,リスクコントロールを図れるかが,法律家,法務担当者の力量というべきものです。本書では,以上に述べた視点に立って,非現実的,杓子定規的な分析ではなく,現実的なリスク分析を基礎とした実践的なドラフト作成を念頭において,議論を進めています。そのためには,まず各業種の実態を概観し,ある契約類型が業種横断的に登場する場合には,業種毎にどのような視点を意識すべきかを紹介して,そこで問題となるリスクを分析の上,契約条項に落とし込むこととしました。このようなリスクコントロールの視点は,ドラフト作成のみならず,カウンターオファーをも含む契約締結交渉のあらゆる場面において,企業利益の最大化とそれに基づく企業の永続性確保のために活きて来ることと思料します。はじめに
元のページ ../index.html#32