iはしがきは し が き巷には契約書式集が溢れており,インターネットで検索するだけでも,多くの分野の契約書式例を収集することができます。こうした書式例にそのまま倣ったのではと思われる契約書案のチェック依頼を受けたことのある弁護士は数多いことでしょう。こうした契約書案には,依頼した当事者の立場に立った利害調整が不十分なことも間々あり,そもそも契約上のリスクを明確に意識できていない場合すら散見されます。書式例を具体的事案に落とし込む作業ができていないと言わざるを得ないでしょう。こうした契約書作成の場面では,情報収集と利害関係の正確な把握に基づき,それぞれの場面でのリスク分析とそれを前提とするリスクコントロールが不可欠です。もちろん,当事者間の力関係や契約締結への期待と必要性が優先して,最終的には,当該契約締結交渉において紛争リスクが積み残しとならざるを得ないこともありますが,その場合でも,当該紛争リスクの範囲や程度を的確に指摘して,企業経営陣が契約締結に関する経営判断を合理的かつ的確に行えるようにすることが重要です。そこで,この度私達は,実務法曹としてそれぞれの訴訟実務経験や企業法務経験を通して習熟した契約書起案術に力点を置いた契約書作成マニュアルを提供させて頂くこととしました。その際,各分野の企業の企業内弁護士やその顧問業務を取り扱う等して各分野に精通した弁護士が,当該分野に特有の契約形態について,その特徴や定型的に予測されるリスクと対処法を踏まえたその作成ノウハウを本書においてご紹介しました。また,そこで分析した契約類型に関する,典型的な契約書式例を日本加除出版のホームページを通じてご提供することにしました。さらに,同種契約類型については本書中において業種横断的に参照することができるように配慮し,これによって,ある契約類型が業種ごとにどのように変容することになるのかを実感して頂けるようにしました。こうして,各契約書式例を個別の利害状況に応じて自在に加除修正して頂くことで,実態に即応した生きた契約書式集として本書をご活用頂ける
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