家事事件における保全執行履行確保の実務
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知することによって効力が生じるので,この時点から強制執行を行うことができます(家事109条2項)。審判前の保全処分は,送達前でも強制執行をすることができますが,保全処分が送達された日から2週間を経過すると執行ができなくなります(家事109条3項前段,民保43条2項)。本ケースでは,夫(相手方)の住所地がわからないため,送達先は,勤務先となります。送達は,住所が知れないときには,就業先においてすることができます(家事36条,民訴103条2項)。⑸ 保全の執行民事保全法その他の法令に従うことになります(家事109条3項前段)。婚姻費用については,直接強制,間接強制が可能です。間接強制については第2部第2章第5のQを参照して下さい。本ケースでは,裁判所の審判で具体的な婚姻費用の金額が定められたにもかかわらず,夫(相手方)が支払わない場合には,保全命令に基づいて執行をすることになります。ます。第2章 保全各論40夫(相手方)は勤務しているとのことですので,給与の差押えが考えられ

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