生ハン
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適した本が少ないことでした。生活保護行政では,『生活保護手帳』に登載されている実施要領の理解とその運用が必要ですが,なかなか分かりにくいところです。また実施要領は法律ではなく,行政解釈ですから変更(改正)が頻繁に行われます。そこで,本書では福祉事務所の現場の実情を踏まえて,生活保護法や各種通知等を基に,生活保護行政の運用を理解することを目的としました。その趣旨から,本書では『生活保護手帳』『生活保護手帳 別冊問答集』を中心におき,また引用文書,参照文書の多くを行政文書,行政統計とするとともに,厚生労働省(厚生省)の担当者の文書などを参考としています。その上で課題や問題点に対する生活保護行政の考え方の変遷を整理しました。また,実施要領の地方自治体による運用の現状を見るために,筆者も編集に携わった東京都福祉保健局「生活保護運用事例集」の問答を紹介しました。本書では,読みやすさを考え条文や通知類について,その都度『生活保護手帳』等に当たらなくともよいように掲載をするとともに,小山進次郎『生活保護法の解釈と運用』など現在でも大きな影響があるにもかかわらず,入手しにくい文献についても本文で紹介,引用をしました。生活保護行政の外部からの評価として裁判例についての検討も行っています。これは,ケースワーカーが行った処分が裁判になり,場合によっては違法とされることがあるからです。裁判所が生活保護法や通知等をどのように考えたのかが参考になるものと思われます。【本書の構成】本書は次の三部構成としています。「第1編 生活保護を実施する組織」では生活保護行政を担う福祉事務所,ケースワーカーについてその存在理由と何が求められているのかということ,更に,現在の福祉事務所やケースワーカーの問題点について検討をしました。生活保護行政の理解に当たって,福祉事務所やケースワーカーの厳しい現状についての認識は不可欠と考えたからです。「第2編 生活保護の原理」では生活保護法の原理に関わる実務上の問題点について検討を行いました。多くのケースワーカーは実務上の問題が生じたときに該当通知を調べることはあっても,法の原理に遡り通知を学ぶ機会が少ないと考えられるからです。vii初版 はじめに

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