経営権争奪紛争の法律と実務Q&A
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 会社の登記事項は,会社法911条3項に列挙されている。以下の事項は会社の支配権を争う場面で関係するので,あらかじめ登記簿で確認する必要がある。⑴ 株式に関する事項① 発行可能株式総数(6号)② 発行する株式の内容(種類株式発行会社にあっては,発行可能種類株式総数及③ 単元株式数についての定款の定めがあるときは,その単元株式数(8④ 発行済株式の総数並びにその種類及び種類ごとの数(9号)2  第1章 事前調査条2項,113条2項,136条12項1号)。取締役会設置会社でなければ取締役が1名のこともあり得る。定款で役員の員数の下限又は上限が定められていることもあるので,定款も確認する必要がある。取締役の員数は,候補者を何人選定するかを判断するに当たり重要となる。⑵ 定款の閲覧 定款で取締役解任の要件が加重されていないか,取締役の員数の最低数,最高数が定められていないかを確認する。また,株主総会に出席できる代理人資格が制限されていないか,取締役の資格を株主に限定していないかも重要である。⑶ 株主名簿の閲覧 Xは,A社の株式の過半数を所有していないので,単独では株主総会で旧取締役の解任決議と新たな取締役の選任決議を成立させることはできない。そこで,A社の株主名簿を閲覧し,Xの方針に賛同する株主を募ることになる。このような目的で株主名簿の閲覧を請求することは,正当なものと認められる。び発行する各種類の株式の内容)(7号)号)1−2  会社の登記でどのような事項を調査すべきか。

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