主請(第二版)
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637事 例請求の趣旨Ⅱ 取消訴訟て,民事訴訟法の特則が定められている(取消訴訟以外の抗告訴訟につき,イ 原則として和解はできないと解される(南博方ほか編『条解行政事件訴訟ウ 民事仮処分をすることはできず(行訴法44条),仮の救済は,行訴法所定の執行停止(行訴法25条),仮の義務付け(行訴法37条の5第1項),仮の差止め(行訴法37条の5第2項)による。⑸ 判決効に関する特則 抗告訴訟では,判決の効力につき特則がある。詳細は各節で述べる。 私が受けた,地方公共団体の行政処分に不服があるので,取消しを求めます。 処分行政庁が令和○年○月○日付けで原告に対してした○○処分を取り消す。第1 抗告訴訟行訴法38条1項)。法』238頁(弘文堂,第5版,2023)参照)。* 処分の特定は,処分行政庁,処分日,処分の名宛人のほか,一般的な処分名(「更正処分」,「青色申告承認取消処分」等)があればそれを用いて,一般的な処分名がなければ処分内容を示す(「○○をする旨の処分」,「○○法に基づく○○をしない旨の処分」等)などして特定する。また,同一の日に複数の同名の処分がなされた場合には申請日,受理番号等(「○○処分(○○第○号)」等)により,他の処分と区別可能な程度に特定する(塚原朋一編著『事例と解説 民事裁判の主文』393頁(新日本法規出版,補訂版,2024)参照)。* 行政手続においてその事件に付された番号,処分通知書の文書記号・文書番号等を付記して特定する例もある(バリエーション参照)。* 処分行政庁は,単に「処分行政庁」と記載するか,「○○県公安委員会」等と具体的名称を記載する。なお,「処分行政庁」と記載した場合,当事者目録の「処分行政庁 ○○県公安委員会」等の記載と併せて特定される。* 審査請求前置(解説2参照)が必要な場合に注意。また,申請型義務付け訴訟(解説7参照)の併合提起を検討すべき場合がある。処分性を欠くと解される可能性がある事案においては,民事訴訟若しくは当事者訴訟の併合提起も考えられる(本章第2[Ⅰ]2参照)。

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