先土地
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後 藤 浩 平宇 山   聡でも,表示に関する登記先例集が刊行されてきましたが,そのほとんどは,要旨若しくは全文のみを収録したものでした。 そこで,本書においては,まず,現在においても土地の表示に関する登記の事務処理上有益であると考えられる先例97個を「主要先例」としてその全文を掲載し,これに解説を付しました。ただし,権利に関する登記若しくは建物の表示に関する登記に関連する部分が含まれている先例については,その全部又は一部については掲載を割愛しました。 また,主要先例に関連する「関連判例」としてその要旨部分を,83個の先例を「関連先例」としてその全文を,それぞれ掲載し,関連先例についても,解説の中で触れることとしました。 さらに,これらの先例が適用され,又は参考となる具体的な事案を「関連質疑」として掲載しました。この関連質疑については,日本加除出版株式会社から刊行されている「新版 Q&A表示に関する登記の実務」第1巻(2008年初版第二刷),第2巻(2013年初版第三刷)及び第3巻(2014年初版第三刷)に収録されている設問から選択して掲載しました。 主要先例においては,当該先例が発出されるに至った経緯,根拠等はもちろんのこと,例えば,和紙公図等の地図のポリエステル・フィルムへの再製に関して,当該地図を筆界特定の認定資料として採用する場合に,時系列による判断等をする際の参考となる点についても解説を試みるなど,工夫をこらしました。 本書が,土地家屋調査士や法務局職員等の登記実務家のみならず,土地の表示に関する登記実務に携わるすべての方々にとって,多少でもお役にたてれば幸いです。 なお,建物の表示に関する登記の先例については,同様の内容で,稿を改めさせていただきます。 終わりに,本書の企画から刊行に至るまでの間,日本加除出版株式会社編集第二部鶴﨑清香さんには,関係判例や関係先例等の資料の収集作業を精力的に進めていただきました。また,同部宮崎貴之部長には,精細な校正作業をしていただきました。紙面をお借りして,心から感謝申し上げます。  平成29年12月2はしがき

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