(注)本件教諭は公務員であったので,国家賠償法の規定により,個人 (注)本件教諭が,強制わいせつ罪等で,刑事罰を受けたか不明である。(白井 久明)かであり,その後に継続した性的行為にも,本件教諭が原告の学級担任教諭であることや本件部活動の顧問教諭であることによる事実上の強い影響力が同様に及んでいたものと認めるのが相当であるとして,原告の被った精神的苦痛に対する慰謝料300万円及び弁護士費用30万円の支払を認めた。責任を負わないので,学校の設置者である市に対して損害賠償請求をした。市は,本件教諭の行為等は,加害者である本件教諭の個人的な性的趣向に依拠するものであるとして,本件各行為等の職務関連性はないと争ったが,裁判所は職務関連性を肯定して,市の責任を認めた。〇 大阪地判令4・3・23・LLI/DB判秘(強制わいせつ被告事件,強制性 被告人は,大阪府内の高等学校に講師として勤務し,同校硬式野球部のコーチとして,同部部員を指導していたものであるが,喫煙が発覚し,退学等になり得ると指導していた同野球部員1人に対し強制的に口腔性交をし,また,同野球部員の他の4人に対し,マッサージ,ストレッチをする際に,各自の陰茎を弄ぶなどのわいせつ行為をしたとして,裁判所は,懲役10年の刑を科した。第2章 セクハラ・パワハラ交等被告事件)150
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