第 2 株式会社の基本的な機関第 2 株式会社の基本的な機関53)3)複数の種類の株式を発行する会社において,各種類の株式の株主によって構成される「種類株主総会」があり,種類株主総会は,会社法に規定する事項および定款で定めた事項に限り,決議をすることができます(会社法321条)。1 株主総会⑴ 株主総会の役割 株主総会は,すべての株式会社に置かれている,株主から構成される会社の最高の意思決定機関です。 株式会社は,不特定多数の株主から多額の資金を集め,経営のプロである取締役等に会社経営を任せることにより,利益を上げて,株主に分配するシステムです。そのことから,株主総会の役割は,簡単にいえば,①会社経営を任せる会社役員を選任し,②年に1回会社役員から会社の事業の内容と成果の報告を受け,③さらに,その結果により,次期の会社役員を選任する会議体ということになります。⑵ 株主総会における議決権 会社の所有者である株主は,法定の例外を除き,その有する株式一株につき一個の議決権を有しています。これを「一株一議決権の原則」といいますが,①単元未満株式(会社法189条1項),②自己株式(同法308条2項),③議決権制限株式(同法108条1項3号),④取締役,監査役の選任に関する種類株主(同項9号),⑤相互保有株式(同法308条1項本文かっこ書),⑥会社が自己株式を買い取る場合の譲渡等承認請求者が有する株式等(同法140条3項,160条4項,175条2項)については,例外とされています。 議決権の行使方法について,議決権は,株主が株主総会に出席して行使することが原則ですが,株主は代理人によってその議決権を行使することができます。また,その代理権の授与は,株主総会ごとにしなければならないものとされています(同法310条1項)。 株主総会を招集する場合に,株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができる旨を定めれば,書面投票により議決権を行使す
元のページ ../index.html#27