取実
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第 2 株式会社の基本的な機関94)複数の取締役を選任するにあたって,議決権を有する株主は,累積投票によることを請求できます(会社法342条1項)。累積投票とは,各株主に対し,1株につき選任される取締役の数と同数の議決権を与え,株主はその議決権を1人に集中して行使したり2人以上に分散して投票したりできる制度ですが,累積投票の請求は定款で排除することが可能であり,大規模な企業では排除されていることが多くなっています。5)定款の定めにより,最高数を定めたり最低数を変更したりすることも可能です。6)公開会社でない会社では,定款の定めにより,任期を選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することができます(同条2項)。専門の機関として取締役を必置のものとしています(会社法326条1項)。 取締役は,株主総会によって選任され(同法329条1項),決議は普通決議で 監査役会設置会社においては,3人以上の取締役が(同法331条5項),そ欠取締役を選任することができます(同法329条3項)。 また,取締役は,当該会社の部長や支店長等の使用人と兼務することは可能ですが,当該会社の会社または親会社の監査役,会計参与を兼務することはできません(同法335条2項,333条3項1号)。 会社法上,取締役には欠格事由が定められており,法人,成年被後見人等一定の要件に該当する者はなることができません(同法331条1項)。また,定款で取締役の資格を制限することはできるものの,公開会社においては,定款で取締役の資格を株主に限定することはできません(同条2項)。 取締役は,株主総会の解任が決議された場合(同法339条1項,341条)または解任の訴え(同法854条)により解任の判決が確定した場合に解任されます。前者については,いつでも理由を問わず株主総会の普通決議により行うことができるものの,正当な理由なく解任がなされた場合には,当該解任された者は解任により被った損害の賠償を会社に請求することができます(同法339条2項)。 取締役の任期は,選任後2年以内に終了する事業年度のうち,最終のものに関する定時株主総会の終結の時までと定められており,2年を超えて伸長することはできませんが4)行われます(同法309条1項)。5)れぞれ必要とされていますが,6)(同法332条1項),再任することはできます。取締役の欠員や員数不足の場合に備えて,補

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