第 1 章 入口支援における刑事司法ソーシャルワークの支援プロセス方知らず)も少なくありません。提出した更生支援計画は絶対とは言えない167証するため,改めて更生支援計画書の作成を刑事司法ソーシャルワーカーに依頼し,それを裁判所に証拠として提出します。更生支援計画書の記載内容は,まず,計画書作成者の自己紹介として,「刑事司法ソーシャルワーカー」が対応していることを,文頭で明記することは,この計画書の信頼性を高める上で重要です。 日本社会福祉士会(2015年報告書・25頁)では,刑事司法ソーシャルワーカーは,あくまで本人を福祉的支援につなぐ役割であり,司法判決には踏み込まない中立的な立場を堅持することを主張していますので,それに留意しつつ,更生支援計画書を作成していきます。 この更生支援計画書の位置づけは大きく,短期間にどれだけ情報収集ができ,本人の同意を含む計画が作成されるかはポイントとなっていますし,弁護人が説得力のある計画書の作成を期待する向きもあります。 他方,限定された関係性の中での計画の見立てであり,本人釈放後,その更生支援計画に沿って支援を始めても,全く違う方向に行くこともままあり,計画を修正しつつ支援していくことがあります。ときには,福祉の支援も関係しないこともありますし,スッと本人がいつの間にかいなくなること(行ですし,釈放後,変更があり得ることも,関係機関において共通の認識としたいところです。 なお,更生支援計画書の詳細な記載内容については後者に譲ります。8 情状証人として出廷 弁護士から情状証人として出廷を依頼されたら,刑事司法ソーシャルワーカーは,弁護士とリハーサルをするなど念入りな打合せをして法廷に臨みましょう。アセスメントと更生支援計画について証言することが多いので,これまでの振り返りを行い,証人として準備をします。また他事件の裁判を傍聴し,法廷の雰囲気を前もって知っておくことも良いでしょう。 証人尋問は通常,一問一答形式であり,質問されたことに対して端的に短く返答することを心がけなければなりません。丁寧に付け足して話す必要はありません。障害者への理解や介護保険制度の知識等を習得している検察官
元のページ ../index.html#45