刑実
48/60

第 2 編 ケーススタディ 〜項目別・事例別に学ぶ実務のポイント〜第① 被疑者に関する情報収集① 弁護人からの依頼内容を確認する。② 被疑者に面会し事情聴取する。聴き取った内容を総合的に判断し,福祉的な観点から犯罪に至った要因を推察する。③ 被疑者からの情報だけでなく,家族や必要と思われる関係者等からも客観的な情報を収集する。1 被疑者からの聴取 被疑者からできる限り事情を聴取します。聴取の際には,辛抱強く話を聞くことが重要です。優しい雰囲気,ゆったりとした口調で,専門用語を使わずに平易な言葉で話をします。質問する際には,一つの質問で一つの事実を聞き出すようにします(ワンクエスチョン・ワンファクト)。 社会福祉士や精神保健福祉士,精神科医等の福祉専門職に接見への同行を依頼し,事情聴取を行うことも一つの手段です。この場合,弁護人が福祉専門職に被疑者の個人情報・刑事事件の情報の提供を行うことについて,事前に,被疑者から同意書を取得します。福祉専門職を同行して接見を行う場合,一般面会扱いされることが多いですが,①一般面会時間を過ぎた時間を選んで,事前に特別面会の申入れを行う,②理由を付して事前に面会延長の申入れを行うなどの方法により,30分や1時間などある程度の時間を確保することができます。なお,被疑者に接見等禁止処分が付されている場合には,接見等禁止の一部解除の申立てを行う必要があります。170弁 護 士 が押さえておきたいポイント社 会 福 祉 士 が押さえておきたいポイント第 2 ポイント解説(弁護士編)

元のページ  ../index.html#48

このブックを見る