おわりに こうした時代的背景の中にあって,本書は,罪を犯した人の再犯防止・更生支援のために司法や福祉が果たしてきた役割や現状の制度等を確認しつつ,今後,司法と福祉とが,相互の関係をより強固にしながら,さらに効果的な再犯防止・更生支援に取り組んでいくことを目的として執筆されたものです。この意味で本書は誠に時宜を得た先進的な書であると言えますし,特に,弁護士の業務等,司法に関する部分は福祉関係者にとってわかりやすく,逆に福祉の業務に関する部分は司法関係者にとってわかりやすく執筆されており,相互理解を深めるための工夫が随所に盛り込まれた良書でもあります。また執筆者は,司法・福祉の実務家としての立場から刑事司法ソーシャルワークに精力的に関わってきた弁護士・社会福祉士ばかりですので,本書は,弁護士・検察官・裁判官も含めた法律実務家,社会福祉士をはじめとする福祉関係者,さらには保護観察所等更生施設関係者にとっても,極めて実践的で有益な手引書になろうかと思います。 是非本書を通じて司法と福祉との相互理解を深め,両者の緊密な連携の下で,罪を犯した人の再犯防止・更生支援のための実践をさらに積み上げていって頂くことを心から祈念し,巻末の挨拶とさせて頂きます。 平成30年11月364千葉県弁護士会会長 拝 師 徳 彦
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