6 【参考文献】・総合文献①「解説 弁護士職務基本規程」54頁（職務基本規程23条「秘密の保持」）。特に、「依頼者以外の者の秘密」の取扱いについては一読しておきましょう。§ 5 刑事手続に関与した結果、手元にある記録⑵キーワード 【弁倫】【プライバシー】【名誉】【証拠利用】【示談・和解】 痴漢で逮捕された依頼者の刑事弁護人として被害者との間で示談を成立させ、不起訴となりました。その後、依頼者が会社から懲戒解雇処分を受けたため、会社に対し、解雇無効の裁判を提起しました。この裁判の中で、被害者との間で交わした示談書を証拠として提出してよいでしょうか。なお、会社は被害者の氏名等を知りません。 証拠として提出する必要性について十分に吟味し、どうしても提出しなければならない場合には、まずは、氏名・住所等をマスキング処理して提出することを試みましょう。被害者から同意を得られるよう被害者への説明を試みることも考えられます。解 説 被害者の名前や住所等が、訴訟当事者の会社関係者及び訴訟当事者の会社以外の第三者に知られるおそれが問題となり（訴訟記録の原則公開。民訴91Ⅰ）、被害者から、プライバシー侵害や名誉毀損として懲戒請求や損害賠償請求をされるリスクがあります。 ただし、通常示談書には「正当な理由がなければ第三者に開示してはならない」旨、規定されていることが多いと思われます。示談書を証拠として提出することは、正当な理由に該当するとも思われますが、証拠として提出する必要性について十分に吟味し、どうしても提出しなければならない場合には、まずは、氏名・住所等をマスキング処理して提出することを試みましょう。文書の作成主体が問われる等の理由により、示談書原本を提出せざるを得ない場合は、閲覧制限の申立て（民訴の提出につき被害者から同意を得られるよう被害者への説明を試みることも考えられます。 なお、不起訴事案の場合は→§ 4 のような刑事訴訟法の問題は生じません。§ 6 遠隔地の土地を相続し、無断占有者に明渡しを求めたいキーワード 【情報収集】【現地調査】【遠隔地】【明渡請求】【不動産】 依頼者が遺産分割協議によって取得した遠方の土地（地目：原野）をインター 第１章 情報収集と情報の取扱い92）等の対応をとりましょう。しかし、これらの措置は完璧ではないため、示談書
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