Q火災
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第1編 火災保険Q3063解 説30Q 地震が起きた。2キロ先で火の手が上がり,約2時間後に私の自宅も延焼してしまったが,火災保険の補償の対象になるか。費用保険金が支払わる。火災保険においては,地震若しくは噴火又はこれらによる津波によって生じた損害は免責となるが,地震火災費用保険金は有責となる。例えば,SJNK 約款2章4条 ⑵ は,「当会社は,次の ① から ③ までのいずれかに該当する事由によって生じた損害または費用(注4)に対しては,保険金を支払いません。ただし,次の ② に該当する場合であっても前条 ②の地震火災費用保険金については,保険金を支払います。」,「② 地震もしくは噴火またはこれらによる津波」と規定して,地震免責と地震火災費用保険金の支払を明記している。なお,注4は,「① から ③ までのいずれかに該当する事由によって生じた損害または費用 ① から ③ までの事由によって発生した第2条(損害保険金を支払う場合)および前条に掲げる事故が延焼または拡大して生じた損害または費用,および発生原因がいかなる場合でも第2条および前条に掲げる事故がこれらの事由によって延焼または拡大して生じた損害または費用を含みます。」とあるので,火災保険では,地震等による火災の延焼等により生じた損害又は費用も免責となる。その免責とする理由は,火災保険と地震保険の守備範囲を分けて,地震等を保険事故とする損害保険金は地震保険から支払うという制度設計とした点にある。上記の「よって」は,地震等と損害との間に相当因果関係が存在することと解されているので,2キロメートル・2時間という時間的,場所的間隔しかないのであれば,地震等と自宅の延焼との間に相当因果関係を認めることができ,火災保険は免責となる。A 地震免責により火災保険の補償の対象とならない。ただし,地震火災

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