Q火災
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第2編 地震保険Q97187解 説97Q 地震保険の存在意義は何か。損害は免責とし,地震による損害のてん補は地震保険によって行うこととしている点にある。保険法上,保険事故に地震を含む火災保険の存在は許容されている。しかし,我が国では,火災保険と地震保険で守備範囲を分け,火災保険では地震による損害を免責とし,地震保険に加入しなければ損害てん補されないという仕組みとしている。明治の頃より,火災保険は,地震による損害を免責としてきた。その趣旨は,大規模な地震が生ずると,損害保険会社は,その支払能力を超える損害保険金の支払義務を負担し,倒産しかねないからである。しかし,地震による損害をてん補するニーズは確実に存在し,実際,関東大震災(1923 年)では,火災保険金が免責となったために損害保険会社に非難が集まり,損害保険会社は,保険契約外の保険金額の 10 パーセントを上限とする見舞金を支払うに至っている。その後も火災保険は地震免責を維持し,他方,地震を保険事故とする損害保険は存在しなかったため,地震による被災者の生活は安定しなかった。そして,1964 年6月 16 日に発生した新潟地震をきっかけと第1節定義第1章地震保険の種類A 我が国の火災保険・地震保険の仕組み上,火災保険では,地震による

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