iはしがき金子 玄神戸靖一郎昨今,我が国では,平成 23 年に発生した東日本大震災をはじめ,平成 28年に発生した熊本地震,毎年のように発生する大型台風による風水災など,極めて深刻な被害をもたらす自然災害が頻発している。大手損害保険会社4社は,これらの災害により保険金支払が増えたことを受け,令和元年 10 月から,4年振りに,火災保険料を5%から9%引き上げるに至った。また,平成 28 年に発生した糸魚川大規模火災に象徴されるように,火災による甚大な被害についても従前以上に強い関心が向けられるようになっている。火災保険及び地震保険を中心として取り扱う実務書は他にあまり見当たらないところ,幸い,この度,これらに関して纏める機会を得た。本書は,火災保険及び地震保険に関して,家計分野を中心に,主要な論点を網羅する形で設問を設定し,実務上の取扱いを意識しつつ,保険法,火災保険標準約款,地震保険標準約款,大手損保会社の約款,判例等を交えて,Q&A 形式で解説したものである。本書がこれらに対する理解を深め,かつ,保険会社担当者,実務家等の業務の一助となれば,望外の喜びである。令和元年 11 月は し が き
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