内縁・事実婚の成立 Q & A15保法 3 条 7 項 1 号,労基法施行規則 42 条 1 項,労災法 11 条 1 項,16 条の 2 第 1 号)。なく,家計も別々であること(共同生活の欠如)等を指摘して,婚姻に準ずるものと同様の存続保障を認める余地がないとしています。3 社会法の領域では? 社会法の領域では,法律の適用を受ける「配偶者」,「夫」,「妻」に,「婚姻の届出をしていないが,事実上婚姻関係と同様の事情にある者」が含まれるとの明文の規定が存在します(国年法 5 条 7 項,厚年法 3 条 2 項,健 明文の規定があるため,事実婚関係が認定されると当事者に対し諸規定が直接適用され,法律婚の規定が「類推適用」される必要がありません。 公的年金行政実務では,事実婚が認定される要件として,① 当事者間に,社会通念上,夫婦の共同生活と認められる事実関係を成立させようとする合意があること。② 当事者間に,社会通念上,夫婦の共同生活と認められる事実関係が存在すること。を挙げています(平成 23 年 3 月 23 日年発 0323 第 1 号)。 ただし,遺族年金等は,被保険者が死亡当時その者によって生計を維持されていた場合に限り受給できます(「生計維持要件」)。4 重婚的内縁の場合は? 法律上の婚姻をしている者が,法律上の配偶者とは異なる者と内縁・事実婚関係にある場合,このような内縁・事実婚を重婚的内縁と呼びます。重婚は,民法で禁止されています(民法 732 条)。重婚的内縁関係にある当事者について,普通の内縁・事実婚の当事者と同様の法的保護が与えられるのかが問題となります。
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