内縁・事実婚・同性婚の実務相談
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が(改正前民法 900 条 4 号ただし書前半部分),法の下の平等に反するとしてⅢ 内縁・事実婚当事者の民法上の権利・義務裁判所の許可を必要とします),父の氏を名乗ることも可能となります(同法 791 条 1 項。ただし,家庭裁判所の許可と届出を必要とします)。なお,その条ただし書)。遡及効の制限が特に意味を有するのは,相続との関係で94得て DNA 鑑定を行い,父子関係の証明をすることになります。3 認知の効果 認知がなされると,認知された子は出生の時から父子関係があったことになり(民法 784 条),子は父の相続人となり(同法 887 条 1 項),父に対し扶養を求めることも可能となります。 また,父を親権者とすること(民法 819 条 4 項。ただし,父母の協議や家庭場合でも,第三者が取得した権利を害することはできません(同法 784す。この点については,相続に関する民法 910 条が「相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において,他の共同相続人が既にその分割その他の処分をしたときは,価額のみによる支払の請求権を有する」との規定を置いています。4 相続分 相続人の法定相続分については,被相続人に法律上の妻がおらず,子どもが内縁・事実婚による子のみの場合には,父の財産の全てを相続することになります。他に嫡出子がいる場合には,改正前の民法の規定では「嫡出でない子」の相続分は「嫡出子」の 2 分の 1 とされていました違憲判決が下され(最大決平 25.9.4 民集 67 巻 6 号 1320 頁),2014 年民法 900条 4 号ただし書前半部分は削除され,現在では相続分は同じとされています。

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