事前の規律 Q & A119いることが多く,死亡後は,各々の財産を子や孫に承継させたい(家産 一方で,パートナーに対しても安心して生活ができるように,一部財産を遺したいという場合があります。 この場合,まずは固有財産と共有財産を分け,固有財産については各々が管理・処分できるようにしておき,一方で共同生活から生じる費用については一方の名義で銀行預金口座を開設しておき,各パートナーが定められた金額の生活費を入金し,これを共同生活に要する費用に充てることとするなど取り決めをしておきます(後掲「パートナーシップ契約書」参照)。 関係解消時は,残高を 2 分の 1 ルールで清算し,死別時には残されたパートナーに遺贈することとし,遺言公正証書を作成しておくとよいでしょう。2 一方当事者の死亡後の他方の生活保障と遺言・信託 残されたパートナーは「相続人」ではなく,あなたの死後,ただちに生活に困る場合があります。パートナーの生活を保障するためには,死亡後の財産の帰属について事前に一定の手当てをしておく必要があります。 パートナーに一定の財産を遺したい場合には,遺言や信託を利用するとよいでしょう。一定の預金・株式等について,パートナーに遺贈することとし,その旨遺言公正証書を作成しておく方法があります。また,一定額の預金を信託財産として信託銀行等(受託者)に預けておき,信託財産からパートナーが一定の生活費を受領できるようにしておくこともできます。 なお,遺贈若しくは信託によりパートナーに財産を遺す場合には,相続人(子や父母)から遺留分侵害額請求権を行使されるおそれがあること,相続税における配偶者の軽減措置の対象外である点に留意する必要があります。承継)と望み,婚姻届を出さないという場合があります。
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