1 労務提供の不能・労働能力の喪失第1 労務提供の不能・労働能力の喪失7名古屋高判令和 4 年 2 月18日労経速2479号13頁名古屋地判令和 3 年 8 月23日労経速2479号19頁従業員に対する私傷病による解雇について,軽易作業に就かせれば程なく従前の業務と同等の職務を通常の程度に行える健康状態になったとは認められないことなどから,有効とした事例事案の概要⑴ 当事者及びY社の規則 Y社は,船舶及び艦艇の建造,販売,修理及び救難解体等を目的とする株式会社である。Xは,Y社との間で期間の定めのない雇用契約を締結し,平成3年4月1日から勤務を開始した。 Y社就業規則は,業務によらない傷病のため,連続して欠勤した日数が33か月を超えた場合は解雇すると定めており,就業規則細部取扱別紙の「長期欠勤者に関する短時間勤務取扱」は,一定の条件での欠勤をしたことがある者が再出勤を申し出た場合には,短時間勤務取扱の適用対象者としている。 Y社の「長期休業者管理及び再出勤審査実施要領」は,再出勤審査会を,精神健康不調による長期休業者について,医学的見地等から再出勤の可否について審査判定するものとし,各地区担当産業医(委員長)その他の者を委員として構成している。⑵ Xの欠勤の経緯 Xは,平成26年8月18日,うつ病(平成27年1月,躁うつ病(双極性Ⅱ型障害)に変更)により欠勤を開始し,平成27年2月27日に開催された第2回再出勤審査会を経て,同年3月18日から同年6月17日までリハビリ勤務を行い,同月18日から再出勤を開始した。 Xは,平成27年8月24日,躁うつ病により欠勤を開始し,平成28年12月71 三菱重工事件第1 労務提供の不能・労働能力の喪失 / 1
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