Q広告(改訂)
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阪急阪神ホテルズが自ら公表し表示も修正済みであることから,同社に対し景品表示法に基づく立入検査などの調査を行うことに慎重であったといわれている。しかし,食材の不当表示が大きな社会問題となっていることから,内閣官房長官が同年10月28日の記者会見で「極めて由々しきことだ」として阪急阪神ホテルズを強く批判したことを踏まえ,消費者庁では,同社に対する立入検査を実施し,同年12月19日,同社及び㈱阪神ホテルシステムズに措置命令(消表対第593号・同594号)を行っている。3 消費者庁の対処方針変更の背景 ちなみに,このように消費者庁の対処方針が変わったのには,景品表示法が公正取引委員会から消費者庁に移管されたことも大きく影響していると考えられる。 公正取引委員会は,内閣府に設けられ内閣総理大臣の所轄に属するものの,委員長及び委員は独立して職権を行使するものとされているため(独禁27条・28条),内閣官房長官の意見を尊重したとしても,これに従わなければならないというものではない。これに対し,消費者庁が属する内閣府には特命大臣(消費者担当)が設けられているものの,内閣府の主務大臣が内閣総理大臣であることもあって,内閣官房長官の事実上の指揮下にあるため,同長官の意見を踏まえた法運用を行うのは当然のこととなる。 なお,この平成25年までの食材の不当表示問題を契機として,景品表示法の強化改正の検討が行われ,平成26年の景品表示法改正につながっている。284第5節 措置命令

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