2_実交
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 私どもの法人(弁護士法人サリュ、以下「当法人」といいます)では、経営の要素をいくつかに分け、弁護士、事務職員(以下「スタッフ」といいます)数名を構成員として部会を形成し、日々活動しています。部会には、弁護士・スタッフの採用部会、給与評価部会、広報部会などいろいろあるのですが、この本を執筆、作成したのは、業務改善部会です。 業務改善部会では、日々の法律事務処理において、いかにミスを減らすか、無駄な作業を減らすか、等々に知恵をこらしているのですが、その延長で、新人弁護士やスタッフの教科書になるような本を作ってみたい、との思いを持つに至りました。一口に法律事務といってもその範囲は多岐にわたるので、当法人がここ十数年、力を入れて取り組んできた交通事故事件処理に焦点をあてることにしました。その際、私どもがいろいろ石につまずきながらも培ってきたノウハウも盛り込めれば、本として出版する意義もあるだろうと考え、この本の出版に至った次第です。 もっともこの分野には、幾多の本がすでに出版されていますので、次のような点に特色を出すよう工夫しました。すなわち、診療報酬明細書をどこから取り付けるか、といった初歩的なところから、医師が自賠責関係の書類の作成を拒んだ場合の対処方法といった事件処理の過程で起こりやすいトラブルを指摘し、その解決策にも踏み込む。その代わり、類書に記載のあるような理論的な問題、判例解説等には極力踏み込まない。 また、初めて交通事故事件処理を担う若手弁護士やスタッフに役立てるよう構成も考えました。 まず序章で、簡単に事件処理の流れを説明し、第1章で損害計算書の項目に従って、証拠収集方法等をくわしく解説しています。続く第2章では、損害計算にも関わる各種保険制度をなるべくわかりやすく説明したつもりです。第3章では、示談交渉等が決裂した場合に必要となる訴状の作成方法、とりわけ、iは し が き

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