3_高齢交通
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1事故前の状態の評価 事故による受傷前から介護が必要な状態であった場合、事故と相当因果関係が認められるのは、事故による受傷によって必要となった介護の部分に関する費用に限られる。判例既存障害がある被害者の随時介護に関する裁判例9大阪地判平成16年1月22日/自保ジ1572号1頁60事故当時、要介護認定を受けていた場合、自賠責保険において既存障害が認定されている場合は明らかであるが、要介護認定や既存障害の判断がなされてはいないが、医証等から、介護を必要とする状態であったことが明らかとなった場合、さらには近い将来介護を必要とする蓋然性が認められる場合などは、介護費用の算定においてそのような事情が斟酌される。また、介護を要する状態であったことを既存障害や既往症、素因として全損害に反映させるものもある。脳挫傷等により(2級3号)の後遺障害が残存した被害者(71歳・男性)につき、右股関節機能障害(8級7号相当)を有し週1回程度リハビリのため通院する際にはボランティアのヘルパーによる援助を受けていたこと等から妻による将来の介護費として日額3,000円とするとともに、妻の高齢、持病を理由とする職業付添人による介護の請求については、原告の年齢、要介護期間等に鑑みると将来的に職業付添人を利用することになるか定かではなく、利用するとしても症状固定後も症状が悪化していることから相当因果関係が認められないと否定した。第3介護費用に関する裁判例

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