2高齢者による介護 被害者が高齢である場合、介護を担う近親者も高齢であることが少なくな判例既存障害がある被害者の施設介護に関する裁判例10判例近い将来施設入所が必要であったことを11さいたま地判平成28年12月1日/交民49巻6号142頁名古屋地判平成30年7月26日/自保ジ2034号105頁61廃用症候群等(1級1号)が残存した被害者(64歳・女性・主婦)につき、アルツハイマー型認知症(7級)の既存障害を有していたことから、本件事故後に入所した介護施設の症状固定時から平均余命までの費用に0.44を乗じた額を将来介護費とした。斟酌した裁判例左肩関節機能障害(12級6号)、左膝関節痛(12級13号)の併合7級の後遺障害が残存した被害者(83歳・無職一人暮らし・女性)につき、受傷した左上下肢のみならず、右下肢の筋力も著しく低下し、施設入所との因果関係は認められるが、事故時には要支援1の認定を受け杖歩行で糖尿病等に罹患していた等から、本件事故がなくても近い将来、施設入所が必要となった蓋然性が認められるとして、症状固定前の入所から年額180万円4年分の介護費を認めた。い。近親者の在宅における将来介護費用は、赤い本では1日8,000円、青本では8,000円〜9,000円と定額化されているが、これは定型的な常時介護を前提とした金額であり、家事労働の評価が参考とされている。第3 介護費用に関する裁判例
元のページ ../index.html#47