判例高齢の夫による介護に関する裁判例12判例妻による介護に関する裁判例①13東京地判平成15年3月26日/自保ジ1507号10頁名古屋地判平成25年9月27日/自保ジ1911号1頁62そうであるならば、家事労働について年齢が斟酌されるのと同様に、介護を担っている近親者が高齢である場合には、その介護の態様が問題となることがある。もちろん、介護費用は、残存する障害に見合った介護の程度によって算定されるから、同じ程度の介護を担っている場合、高齢者であるからとの理由で減額されるわけではない。あくまでも被害者の状態が、高齢の近親者による介護でも可能な状態、要介護度が低い状態であるかどうかという意味である。右半身不随・体幹機能障害・構音障害・抑うつ状態・高次脳機能障害等(1級3号)が残存した被害者(症状固定時66歳・主婦・女性)の一切の日常生活につき夫が常時付添介護をする必要がある、その負担の程度も重いこと、夫が老齢(69歳)であり、高血圧症の持病もあることから、日額8,000円、症状固定時から平均余命までの付添介護費を認めた。高次脳機能障害(2級1号)が残存した被害者(69歳・会社代表・男性)につき、自動車や自転車の運転が可能で1人でゴルフ練習場まで行けるなど、一定の社会的行動ができるに至っているが、日常生活における声掛けなど、随時介護や見守りを要するとして日
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