運労務
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1 1第3 労務管理における7つのポイント第1章働き方改革時代に選ばれる 運送事業者とは 物流を担う運送業は、運送事業者にとっても個人にとっても欠かすことができない重要な基幹産業であり、私たちの大切なインフラとなっています。 一方、運送業界を取り巻く労働環境は、他業種と比して長時間労働・低賃金が常態化している厳しい状況にあり、人手不足・労働者の高齢化が加速しています。そして、厳しい労働環境にあることを反映し、運送業界では労働紛争が少なくありません。 このように運送業界を取り巻く労働環境が厳しい中、政府は、2019年以降、「働く方々が、個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で「選択」できるようにするための改革」として、「働き方改革」の実施を推進しています。また、2019年以降、働き方改革関連法とともに、改正貨物自動車運送事業法の施行や、民法の大改正の施行等、重要な法改正が相次いでいます。 運送業界を取り巻く労働環境を改善し、人手不足・労働者の高齢化を防ぎながら、働き方改革関連諸法や改正民法等の法令を遵守し、コンプライアンス経営を確立することは、運送事業者として持続的な成長を遂げるためにも避けて通ることができない課題です。そして、運送事業者としてこれらの課題を解決することは、労働者のみならず荷主からも選ばれる運送事業者に発展するための道標といえます。 本章では、働き方改革時代に選ばれる運送事業者となるためのポイントとして、以下の項目について解説します。第1 働き方改革時代における運送業界に求められる視点第2 運送業界における労務管理の重要性第3 労務管理における7つのポイント第4 運送業界におけるコンプライアンスリスク第5 働き方改革関連法のポイント第6 パワハラ防止法のポイント第7 民法改正のポイント第8 改正貨物自動車運送事業法の留意点

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