運労務
35/58

8 第8章労働時間の管理197 運送業界は、長距離トラック運転手に見られるように、長時間労働になりがちな職場環境にあります。 運送業界における長時間労働の実態は、以前から問題視されていましたが、働き方改革関連法の施行に伴い、長時間労働の是正が求められることとなりました。 長時間労働を放置することは、時間外労働手当の高額化や、従業員の健康状態の悪化や労働災害の誘発、さらには職場環境の悪化や離職率の増加等、様々な労務リスクの温床になりかねません。 長時間労働を是正するためには、まず実際の労働時間がどの程度になっているのかをできる限り正確に測定することから始め、次に労働時間の管理方法を検討した上で、長時間労働の改善方法を検討・着手するという流れで進める必要があります。 運送事業者にとって、長時間労働を是正し、適正な労働時間管理を実現することができるかどうかは、労務リスクを軽減するだけでなく、魅力ある職場として外部への競争力を高めることができ、より魅力的な人材を集めることができるかどうかにつながります。 本章では、労働時間の管理におけるポイントとして、以下の項目について解説します。第1 改善基準のポイント第2 労働時間の考え方第3 残業代の計算方法第4 固定残業代(定額残業代)の留意点第5 残業代を組み込んだ歩合給の留意点第6 残業代請求を受けた場合の初動対応

元のページ  ../index.html#35

このブックを見る